【これは不良品?】知ってほしい繊維のかたまり「ネップ」のお話

洋服やストール、寝具などの素材によく使われるリネン。
通気性が良さ、優しい肌触り、速乾性、自然な風合いと、天然素材ならではの特徴が人気の生地です。
ふろしきの生地としても、いくつかのシリーズでリネン生地を使用しています。
商品を購入された方から、「これって不良でしょうか?」と糸が固まったようなものについてお問い合わせいただくことがあります。
実はこれはネップといって、天然素材ならではの特徴です。
このネップについて、この記事を通じて本当のことを知っていただければと思います。
1.繊維のかたまりネップ
2.ネップとの出会い
3.デザインとして取り入れる
4.リネン素材のふろしき
5.まとめ
1.繊維のかたまり ネップ

生地の中に出来る繊維のかたまりのことをネップと呼びます。
リネンの糸の原材料は「亜麻(あま)」という植物の繊維です。
収穫された亜麻は、まず水に浸けて繊維を柔らかくします。その後、亜麻の茎をばらばらにして繊維状にします。さらに複雑な工程を経て出来た繊維を紡いでようやく糸になります。


その糸を織ってリネンの生地にしていくのですが、ここが大事なところです。
整った糸を見ると同じように見えますが、植物の茎から抽出した自然の繊維がすべて同じ太さ、長さであるはずがありません。その性質上、僅かな違いは必ず出てしまいます。
この僅かな違いが、生地として織った時に表面にネップとして出てくるのです。
そうです!ネップがあることは天然素材の証ということです。
もちろん、ネップがあることでほつれやすいということはありません。
2.ネップとの出会い

さまざまな工程を経て作られるリネンの糸。
その1本1本のちょっとした違いある糸で織られた糸なので、同じ生地になることはありません。
例え同じように見えても糸の太さにもムラがあり、ネップの出方にも個体差が生まれます。
そう、たまたま生地の上に出来た繊維のかたまりであるネップはリネン生地の個性です。
その個性ある生地から作られたふろしきは、さらに染色、縫製などを経て表情が変化します。もはやこれは運命の出会いです。
そう思うと、ネップとの出会いが愛おしく感じてきませんか。
ぜひ、ネップとともにあなただけのリネンふろしきに育ててみてください!
3.デザインとして取り入れる

天然素材ならではのネップですが、昔からデザインとしても取り入れられています。
ふろしきではデザインとして取り入れてはいませんが、素材そのままの自然な風合いとして活かしています。
カラー・ネップという不規則性のあるネップの箇所にわざと色を入れたものがあります。
生地全体にぽつぽつと節のような模様ができる特徴があります。ニットや靴下などで良く見かけますね。

出典:BEAMS HEART
4.リネン素材のふろしき
さて、これまでリネン生地の特徴を説明してきました。
ここからは、むす美で販売しているリネン素材のふろしきもご紹介してきます。
リネンという素材にこだわり、作家とコラボしたもの・素材感を十分に活かしたものとさまざまなデザインがあります。世界に1枚だけのふろしきとの出会いがありますように。
■MUSUBI LINEN 鈴木マサル

テキスタイルデザイナー鈴木マサルさんとのコラボふろしき。
包んで使用した際どちらの方向を向けて使用するかによって、大きく印象が変わるようにと考えられた結果生まれたデザインです。軽量なのでストールとしてもお使いいただけます。
■MUSUBI LINEN

フランス原産のリネン100%のふろしき。
リネン特有のシャリ感のある手触りと清涼感があるため、ストールやショールとして身に着けたり、クッションカバーなどのインテリアファブリックとしてもおすすめです。
また、リネンは天然繊維の中でも特に丈夫な素材として知られ、バッグやモノを包むのにも適しています。
■ミナ ペルホネン リネンエンブロ


minä perhonen×linen
軽やかなリネンに穏やかな空気の中をふわりと舞うちょうちょの様子を刺繍で表現しています。この“choucho”の図案はミナ ペルホネンの象徴的なテキスタイルです。
「MUSUBI LINEN」に比べて、ふんわりとやわらかな少し厚みのある生地感です。
ミナ ペルホネン リネンエンブロL choucho
100 ミナ ペルホネン リネンエンブロH forest parade

他にも、同柄で48cmのSサイズや、可愛いワンポイント刺繍のデザインもあります。
気になる方は下記ボタンより商品ページをご覧ください。
5.まとめ
いかがでしょうか。
繊維のかたまりであるネップが不良品かも、という考えから、何とも言えない愛らしいものに感じられたでしょうか。
すべて均一で真っ平な生地も美しいです。ただ、自然が作ったこの個性を私たちは大切に扱っていきたいのです。
ネップは天然素材の証拠であり、リネンの特徴であり、ファッションやデザインでもあり、偶然の出会いなのです。
↓リネン糸の原料ができるまでの工程を紹介している動画がYouTubeにアップされていました↓